5. 火・雷・光・鍛冶の神名
火や雷、光、鍛冶の炎を象徴する神々を収録しています。鋭さの中に神聖さが宿り、強さと美しさが調和した名前が多く見られます。
- 天照大神(アマテラス) 太陽を司る最高神。まばゆい光と威厳を象徴し、日本神話を代表する力強い神名。
- 火之迦具土神(カグツチ) “火の神”として絶大な破壊力を持つ存在。短く鋭い音が炎の爆発力を思わせる名。
- 天火明命(アメノホアカリ) 「火の明るさ(ほあかり)」を司る光の神。柔らかな光と輝きをまとった神秘的な響き。
- 天照御魂神(アマテルミタマ) “照らす魂”という荘厳な名を持つ光の神。太陽神の光を分け持つような清らかな響き。
- 甕速日神(ミカハヤヒ) 火と光の力を持つ神。スピード感ある“ハヤ”の音と、煌めく甕(みか)が合わさった強烈な響き。
- 火照命(ホデリ) 燃えるような熱と輝きを象徴する名。短く端正な響きが印象的な火の神。
- 火遠理命(ホオリ) 火の力と山の幸をあわせ持つ神。柔らかい中に強さを秘めた穏やかな火名。
- 天目一箇神(アメノマヒトツ) “片目の鍛冶神”。火と鉄を鍛える存在として圧倒的な迫力をもつ。響きも視覚イメージも強烈。
6. 大地・山・森・土地の神名
大地の息づかいや山・森の存在感を体現する神々を紹介しています。重厚で落ち着いた響きが多く、包容力や神秘を感じられる内容です。
- 大山津見神(オオヤマツミ) 山の頂から大地全体までを支配する山岳神。重厚な音が“山の王”の風格を漂わせる。
- 大山咋神(オオヤマクイ) 山の地主神として知られる存在。“クイ”の硬質な響きが大地の強さを感じさせる。
- 大屋毘古神(オオヤビコ) 屋根のように大地を覆う神格。“毘古”の古語的な音が武骨で力強い山神。
- 奥山津見神(オクヤマツミ) 深い山奥に宿る存在。静寂と威圧感の両方を秘めた、神秘的な山の神名。
- 国之常立神(クニノトコタチ) 大地そのものを象徴する原初の神。動かざる“国土の支柱”という圧倒的な安定感。
- 石凝姥命(イシコリドメ) “石を凝らす”という名前のとおり、岩石の強靭さを象徴。音の重さが非常に渋くかっこいい。
- 磐長姫命(イワナガヒメ) “不老長生”を象徴する岩の女神。硬質な音が永遠性と荘厳さを感じさせる。
- 磐筒男神(イワツツノオ) “岩”+“筒”の組み合わせが独特に強い。武神としても知られ、響きが鋭く硬い。
- 久久能智神(ククノチ) 木の神。“クク”の繰り返しが古代的で印象的。自然の力が凝縮された美しい響き。
- 鹿屋野比売神(カヤノヒメ) 草・野の女神。柔らかいが“野”の広がりを感じさせる気品ある自然神名。
- 苔牟須売神(こけむす) — 苔生す大地の霊格を思わせる神名。湿気と古い森の気配を帯び、中性的で神秘的な響き。
7. 祓い・浄化・境界・守護の神名
禊ぎや祓い、結界、境界、守護といった“見えない働き”を担う神々を取り上げています。清らかで静かな響きが印象的で、精神性の高い名が中心です。
- 豊宇気毘売神(トヨウケビメ) 食物・豊穣を司る重要神。柔らかい音が続き、豊かな実りのイメージをそのまま抱く美しい神名。
- 宇迦之御魂神(ウカノミタマ) 稲・穀物の神として広く信仰される存在。“ウカ”の響きが優しくも神秘的。
- 保食神(ウケモチ) 食物そのものを生む力を象徴する神。短く素朴な音に生命力が宿る。
- 大気都比売神(オオゲツヒメ) 食物神としての権能が強く、“ゲツ”の響きが古代的で印象に残る。
- 神大市姫神(カムオオイチヒメ) 市(いち)や商いの繁栄、農産物の豊かさを象徴する神。気品ある柔らかい響きが魅力。
- 玉依毘売命(タマヨリビメ) “玉”と“依”の組み合わせが神秘的で美しい。生命の源流を思わせる神名。
- 稚産霊神(ワクムスビ) “むすび=生命の生成”を体現する神。柔らかなリズムが若々しい息吹を感じさせる。
- 多紀理毘売命(タキリビメ) 水と豊穣を司る女神。音の流れが軽やかで、成長する生命の勢いを思わせる。
- 多岐都比売命(タギツヒメ) 美しい水と豊穣のイメージを併せ持つ神。端正で品のある響きが特徴。
- 穂日神(ホヒ) 太陽と稲穂の両方を象徴する名。短く強い“ホ”の音が力強さを与える。

コメント