玉依毘売・玉依姫 – タマヨリビメ
子を授け、育て、国を産んだ――母性の象徴たる日本神話の母なる女神
玉依姫命は、日本神話に登場する優しき母性の象徴であり、初代天皇・神武天皇の母とされる女神です。
姉である豊玉姫命が竜宮から人間界に戻って出産後、海に帰る際に子どもを託し、その子を立派に育て、自ら妻となって日本最初の天皇を生むという壮大な母子神話が語られています。
この物語から、子授け・安産・子育てのご利益を中心に、家庭運・縁結び・開運にも強い力を持つと信じられています。
また、海の神の一族であることから、海上安全・豊漁・方位除けなど、多面的なご神徳を持ち、全国各地の古社に祀られています。
【ご利益】
- 子授け・安産・子育て
- 縁結び・夫婦円満
- 海上安全・豊漁・豊作
- 商売繁盛・殖産興業
- 開運・厄除け・方位除け
【主な神社】
- 賀茂御祖神社(下鴨神社)|京都府京都市左京区下鴨泉川町59
玉依姫命を主祭神とする格式ある神社。縁結び・育児守護の信仰が厚い。 - 吉野水分神社|奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
- 青海神社|新潟県加茂市加茂229
- 知立神社|愛知県知立市西町神田12
- 玉井宮|岡山県岡山市中区東山1丁目3−81
- 筥崎宮|福岡県福岡市東区箱崎1-22-1
- 宇美八幡宮|福岡県糟屋郡宇美町明神坂1-1-1
安産祈願で全国的に有名。玉依姫命への信仰も厚い。 - 宮崎神宮|宮崎県宮崎市神宮2-4-1
- 竈門神社|福岡県太宰府市内山883
- 玉前神社|千葉県長生郡一宮町一宮3048
豊玉毘売命(トヨタマヒメ)
いのちを育み、海から恵みをもたらす――母性と神秘の竜宮の女神
豊玉毘売命は、海の神・綿津見神(わたつみのかみ)の娘であり、竜宮に住むとされる神秘的な海の女神。
神話では、山の神・邇邇芸命(ニニギノミコト)の子を身ごもり、地上で出産するも、「真の姿は八尋の大和邇(=大きなワニ)」と語られる、変化(へんげ)の力を持つ存在です。
彼女は出産ののち、妹の玉依姫に赤子を託し海へと戻りますが、その子はやがて初代天皇・神武天皇の父となり、豊玉姫は天皇家の祖母神としても知られています。
子宝・子育て・安産の守護に加えて、海の恵み(漁業・水産・農業・畜産)をもたらす、生命の母としてのご利益が全国で信仰されています。
【ご利益】
- 子授け・子宝祈願
- 安産・子育て
- 縁結び・夫婦和合
- 産婆・乳母の加護
- 海上安全・漁業繁栄
- 農業・畜産・水の恵み守護
【主な神社】
- 若狭姫神社|福井県小浜市遠敷65-41
- 高忍日売神社|愛媛県伊予郡松前町徳丸387
- 和布刈神社|福岡県北九州市門司区門司3492
- 鰐河神社|香川県木田郡三木町下高岡1843-1
- 与賀神社|佐賀県佐賀市与賀町2-50
- 海神神社|長崎県対馬市峰町木坂247
- 鹿児島神宮|鹿児島県霧島市隼人町内2496-1
- 益救神社|鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦277
- 豊玉姫神社|鹿児島県南九州市知覧町郡16510
- 和多都美神社|長崎県対馬市豊玉町仁位55
豊玉姫と海神の伝承が深く残る古社。竜宮神話に縁のある聖地。 - 若宮神社|福岡県福岡市中央区
沼河比売・奴奈川姫 – ヌナカワヒメ
歌で結ばれた恋――大国主命の妻として語り継がれる、越の美しき姫神
沼河比売命(ぬなかわひめのみこと)は、『古事記』に登場する美しき女神で、越(高志=現在の北陸地方)の国に住んでいたとされます。
大国主命がその美しさに惹かれて求婚の旅に出かけ、彼女の屋敷の外から和歌を詠んで愛を伝えたというロマンティックな神話が有名です。
沼河比売もまた歌を返し、両者は心通わせて翌日に結婚。愛と歌で結ばれたこの物語は、縁結びの神話の原型として古くから親しまれています。
諏訪信仰では、大国主命との間に生まれた子が建御名方神(たけみなかたのかみ)であるとされ、現在の諏訪大社下社では親子で祀られています。
特に子宝・安産・縁結びにご利益があるとされ、糸魚川市を中心に多くの信仰が今も息づいています。
【ご利益】
- 子宝祈願
- 安産守護
- 良縁成就・縁結び
【主な神社】
- 天津神社内 奴奈川神社|新潟県糸魚川市一の宮1丁目3-34
奴奈川姫ゆかりの地として名高く、地元では「姫神さま」として親しまれています。 - 白山神社|新潟県新潟市中央区一番堀通町1-1
- 諏訪大社 下社|長野県諏訪郡下諏訪町5828
奴奈川姫の子・建御名方神を祀る信濃の名社。八坂刀売神と共に祀られています。 - 青澤神社|新潟県糸魚川市青海2696
- 能生白山神社|新潟県糸魚川市能生7239
- 居多神社|新潟県上越市五智6丁目1-11
- 気多神社|富山県高岡市伏木一宮1丁目10-1
八幡(はちまん)
勝利と守護の象徴――武運長久から子孫繁栄まで導く国民的神様
八幡神(はちまんしん、はちまんさま)は、日本全国で最も多くの神社に祀られている神様のひとり。
その正体は、応神天皇(誉田別命:ほんだわけのみこと)を主祭神とし、母の神功皇后(息長帯姫命:おきながたらしひめのみこと)、比売大神(ひめおおかみ)を含む三柱の神で構成されています。
古代から国家を守る神、武運長久・成功勝利の神として厚く信仰され、源氏や足利氏、武家社会の守護神としても知られています。
現代では、子孫繁栄・家運隆昌・受験やスポーツの勝利祈願・交通安全など幅広いご利益を授ける神として、老若男女問わず親しまれています。
【ご利益】
- 子孫繁栄・家運隆昌
- 国家鎮護・地域守護
- 成功・勝利(受験・仕事・スポーツなど)
- 交通安全・航海安全
- 教育・学業成就
- 病気平癒・災厄除け
【主な神社】
- 宇佐神宮|大分県宇佐市南宇佐2859
全国約44,000社ある八幡宮の総本社。「八幡信仰」発祥の地として有名。 - 石清水八幡宮|京都府八幡市八幡高坊30
平安時代以降、朝廷・武家から篤く信仰された「日本三大八幡宮」の一つ。 - 鶴岡八幡宮|神奈川県鎌倉市雪ノ下2
源頼朝が建立した武士の守護神。今も恋愛・勝運のパワースポットとして人気。 - 気比神宮|福井県敦賀市曙町11-68
北陸の総鎮守。「北陸道総鎮守」として古代から交通・外交の要所を守る神社。
🕊 夫婦円満の神様
“ふたりの心”をひとつに結び直してくれる神様がいます
長く続く関係には、絆を深める“見えない力”が必要なことも。
夫婦円満や家内安全を祈ることで、愛と信頼に満ちた家庭を築く後押しをしてくれる神様をご紹介します。
須勢理毘売 – スセリビメ
試練を超えて結ばれた愛の象徴――夫婦円満を導く優しき姫神
須勢理毘売命(スセリビメ)は、大国主神(オオクニヌシノカミ)の正妻であり、海原の神・須佐之男命(スサノヲノミコト)の娘神です。
父スサノヲに結婚を反対された大国主神は、数々の命がけの試練を課せられますが、スセリビメはそのたびに知恵と愛で助け続けます。
やがて大国主神はスサノヲの信頼を勝ち取り、二人は晴れて結ばれることに──。
この神話から、須勢理毘売命は真実の愛を支える存在として、現代でも夫婦円満・家庭円満・縁結びのご利益がある神様として信仰されています。
【ご利益】
- 夫婦円満・家庭和合
- 良縁成就・縁結び
- 厄除け・家内安全
【主な神社】
- 出雲大社 摂社・大神大后神社(御向社)|島根県出雲市大社町杵築東
出雲神話の舞台、スセリビメが正妻として祀られる特別な摂社。 - 那売佐神社|島根県出雲市東神西町720
地元ではスセリビメを祀る縁結びの古社として知られています。 - 春日大社|奈良県奈良市春日野町160
縁結び・家庭守護の神を多く祀る、格式高き社。 - 國魂神社|福島県いわき市勿来町窪田馬場72
- 備前国総社宮|岡山県岡山市中区祇園596
稲田姫命・櫛稲田姫命(イナダヒメ・クシナダヒメ)
八岐大蛇伝説と出雲の恋――結ばれし運命の姫神
櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)、または稲田姫命(いなだひめのみこと)は、古代出雲神話に登場する美しき農耕の女神です。
彼女は、八つの頭と尾を持つ大蛇「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」に生贄として捧げられそうになりますが、須佐之男命(スサノヲノミコト)によって救出され、英雄的な恋物語の果てに夫婦となりました。
櫛稲田姫は「稲田」の名の通り、稲作・農業の守護神としての顔を持つとともに、夫婦円満・子授け・安産・良縁成就・厄除けなど、家庭や人生を豊かにする女神として広く信仰されています。
その名は「櫛」に変化したことから、女性の美しさや髪(生命)の象徴として祈られることもあり、恋愛や結婚を願う方にとっても大切な存在です。
【ご利益】
- 良縁成就・恋愛成就
- 夫婦円満・家内安全
- 子授け・安産
- 厄除け・災難除け
- 農業・稲作守護
- 衣食住全般の加護
【主な神社】
- 八重垣神社|島根県松江市佐草町227
「鏡の池の縁占い」で有名な恋愛パワースポット。クシナダヒメとスサノオの愛の聖地。 - 廣峯神社|兵庫県姫路市広嶺山52
- 櫛田神社|富山県射水市串田6841
- 櫛田宮|佐賀県神埼市神埼町神埼419-1
- 氷川神社|埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1丁目407
- 今宮神社|京都府京都市北区紫野今宮町21
- 須賀神社|和歌山県日高郡みなべ町西本庄242
- 椙本神社|高知県吾川郡いの町大国町3093
- 須佐神社|島根県出雲市佐田町須佐730
スサノオの終焉の地と伝えられ、夫婦で祀られる神聖な社。 - 六所神社|神奈川県中郡大磯町国府本郷935
- 八坂神社|京都市東山区祇園町北側625
- 山辺神社|島根県江津市町112
【注目】縁切りの女神「橋姫」もお忘れなく!
恋愛がうまくいかない原因は「悪縁」にあるかもしれません。
その場合はまず“悪縁”を断ち切ってから、“良縁”を招くのがおすすめ!
橋姫神社(京都府)では、縁切り→縁結びのセット参拝が人気です。
恋愛成就の第一歩は、神様とのご縁から
22柱の神様それぞれに由来・性格・得意分野があります。
「どの神様にお願いしよう?」と迷ったら、直感で「惹かれる神様」を選ぶのもご縁のひとつです。
願いが叶った方は、ぜひ「お礼参り」も忘れずに♪
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