神社では一年を通じてたくさんの祭祀(さいし=祭り)が行なわれます。神社本庁の「神社祭祀規定」によると大祭・中祭・小祭に区分され、以下のようになります。
- 大祭: 例祭・祈年祭・新嘗祭・遷座祭・合祀祭・分祀祭・式年祭・鎮座祭
- 中祭: 歳旦祭・明治祭・天長祭・元始祭・紀元祭・神嘗祭当日祭
- 小祭: 除夜祭・日供祭・月次祭など各種祭典
例祭は、祈年祭・新嘗祭とともに三大大祭の一つで、その神社にとって1年で最も重要な祭祀です。
年中行事 – 神社で執り行われる祭祀
神社では一年を通じ、様々な年中行事が執り行われています。
一月(睦月・むつき)
四方拝【しほうはい】
1月1日(元日)
宮中で天皇が天地四方の神祇を拝する儀式。 四方を拝し、年災消滅、五穀豊穣を祈る宮中祭祀。
元始祭【げんしさい】
1月3日
天皇が宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)で、皇位の元始を祝ぐ儀式である。
初詣【はつもうで】
年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事。一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりする。
初詣は3日まで(三が日)に済ませるのが一般的のようですが、三が日のうちに行けなければ松の内(関東では1月7日、関西では1月15日が一般的)までに参拝する方も少なくありません。
七草
日の朝、七草粥を食べます。
鏡開き【かがみびらき】
1月11日・20日など
正月に神(年神)や仏に供えた鏡餅を下げて食べる年中行事です。神仏に感謝の気持ちを示し、無病息災などを祈って、供えられた餅を食べます。
一般的には、1月7日までの松の内が明けた1月11日、松の内が15日までという地域では、1月15日または20日に行われています。
小正月【こしょうがつ】
1月15日、または14日から16日までの3日間
元日(または元日から1月7日まで)を大正月と呼ぶのに対して小正月といいます。正月の注連飾りなどをお焚き上げする「どんど焼き」もこの時におこなわれます。
二月(如月・きさらぎ)
節分【せつぶん】
2月3日または4日
立春の前日のことをいい、2月の3日か4日にあたります。
邪気を祓うために、豆をまいて追難を行います。
初午
2月の最初の「午(うま)の日」
食物の神である稲荷神をまつります。
針供養
2月8日
折れ、曲がり、錆びなどによって、使えなくなった縫い針を供養し、近くの神社に納める行事。
紀元節(建国記念の日)【きげんせつ(けんこくきねんのひ)】
2月11日
古事記や日本書紀で日本の初代天皇とされる神武天皇の即位日をもって定めた祝日。
日本の国のはじまりの日。
祈年祭【きねんさい】
2月17日
宮中祭祀の小祭で、その年の五穀豊穣などを祈る祭祀。
天皇陛下御誕生日【てんのうへいかおたんじょうび】
2月23日
今上天皇(第126代天皇徳仁:1960年〈昭和35年〉生まれ)の誕生日を祝うための国民の祝日
三月(弥生・やよい)
雛祭り【ひなまつり】
3月3日
女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事。桃の花など木々の飾り、雛あられや菱餅などを供え、白酒やちらし寿司などの飲食を楽しむ節句祭り。
春分【しゅんぶん】
年に2回、昼と夜の時間が同じになる日で、春は春分の日、秋は秋分の日と呼ぶ。春分の日(は、日本の国民の祝日の一つであり、通例、3月20日から3月21日ごろのいずれか1日。
彼岸
春分・秋分を中日とする前後3日の計7日間を彼岸といいます。法事や墓参など、先祖の供養が行われます。
社日
産土神(生まれた土地の守護神)を祀る日。春と秋にあり、春のものを春社(しゅんしゃ、はるしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)という。春分・秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日のことで、神社にお参りして春には五穀の豊穣を、秋には収穫の感謝を祈ります。
四月(卯月・うつき)
春祭り【はるまつり】
その年の農耕の始まりを神様にお告げして、農神を迎え、五穀の豊穣を祈るとともに疫神や悪霊を祓う。
昭和の日【しょうわのひ】
4月29日
昭和天皇の誕生日。
五月(皐月・さつき)
みどりの日【みどりのひ】
平成の御代となり、自然を愛された昭和天皇の御遺徳を偲ぶために、4月29日であった「天皇誕生日」を、「みどりの日」へと変更されました。祝日法の改正により、4月29日が「昭和の日」と改められました後、「みどりの日」は5月4日に移動となりました。この祝日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
端午
5月5日
五節句の一つ。端午の節句、菖蒲の節句とも呼ばれる。男子の健やかな成長を祈願し各種の行事を行う。武者人形を飾り、鯉のぼりを立て、柏餅をお供えして男児の幸福を祈ります。
六月(水無月・みなつき)
大祓【おおはらい】 – 夏越しの祓い
6月30日
6月と12月の晦日に行われる祓いを大祓いといいますが、そのうち6月に行われるものを夏越し(なごし)の祓い、水無月大祓といいます。
半年間の穢れを祓います。
七月(文月・ふみつき)
七夕【たなばた】
7月7日
七夕は節句の一つで、短冊に願い事を書き葉竹に飾ることが一般的に行われている。
夏祭り【なつまつり】
旧暦6月15日頃を中心に豊作祈願と、病魔・厄災などのけがれを払い、先祖の霊を供養するために各地で夏祭りが行われます。
八月(葉月・はつき)
お盆【おぼん】
8月13日~16日
祖先の霊を祀る一連の行事。
お盆の期間は、一般的には8月13日~16日の4日間とされていますが、地域によって、お盆の期間は異なります。
精霊祭
13日からの4日間、盆に祖霊を迎えます。祖霊を祭る行事で、精霊棚を設けて13日に迎え火を焚き、16日に送り火を焚くというものです。
戦没者を追悼し平和を祈念する日【せんぼつしゃをついとうしへいわをきねんするひ】
8月15日
大東亜戦争が終結した日です。英霊をお祀りする全国の護国神社においてみたま祭が行われます。
灯籠流し
8月15日または16日
死者の魂を弔って灯籠(灯篭)やお盆の供え物を海や川に流す日本の行事。
九月(長月・ながつき)
十五夜【じゅうごや】
旧暦八月十五日の夜、薄を立て、団子などを供えてお月見をします。
観月祭【かんげつさい】
旧暦八月十五日の十五夜は、仲秋の名月ともいわれ、各地の神社では満月をたたえて観月祭が行われます。また、各家庭においても、月見団子などのお供え物をしてお祝いすることが一般的に行われています。
秋分【しゅうぶん】
年に2回、昼と夜の時間が同じになる日で、春は春分の日、秋は秋分の日と呼ぶ。宮中では秋季皇霊祭がとり行われます。
十月(神無月・かんなつき)
秋祭り【あきまつり】
主に農村地帯において、各地の神社で執り行われる収穫を感謝する祭り。
神嘗祭【かんなめさい】
10月15日、16日、17日に伊勢の神宮において行われる大祭
宮中祭祀のひとつ。宮中および神宮(伊勢神宮)で祭祀が行われる。その年に収穫された新穀(初穂)を天照大神に奉げる感謝祭。
十一月(霜月・しもつき)
七五三【しちごさん】
7歳、5歳、3歳の子どもの成長を祝う年中行事で、神社・寺などで「七五三詣で」を行い、報告、感謝、祈願を行う奉告祭。
新嘗祭【にいなめさい】
11月23日
天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇(てんじんちぎ)に供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食する儀式。同じ日に全国の神社でも行われる。
十二月(師走・しわす)
煤払い【すすはらい】
家の内外を大掃除する行事。新たな年を迎えるために、神棚や家中の埃を祓い清めます。
大祓【おおはらい】 – 年越しの祓い
12月31日
6月と12月の晦日に行われる祓いを大祓いといいますが、そのうち12月に行われるものを年越しのの祓いといいます。
12月31日の大晦日には一年の間の罪穢を祓うために、宮中ならびに全国の神社で執り行われます。
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