“世界にはどんな妖精がいるのか?”
アイルランド・スコットランド・北欧・スラヴ・ギリシャ・中東・アジアなど、世界の主要地域で古くから語られてきた妖精を一覧にまとめました。
妖精の 地域・名称・役割・特徴 を整理しました。 創作アイデアにご活用ください。
世界の有名な妖精一覧
このリストは、世界の伝承をもとにした創作向けの妖精名称リストとしてまとめています。 各地域で語られてきた特徴をもとにしていますが、物語や時代によって姿や性質が大きく異なる妖精も多く存在します。 ここでは一覧として“概要”にとどめていますので、 気になる妖精があれば、詳しい伝承や資料を調べてみてください。 より深く知るほど、創作の世界がさらに広がります。
1. アイルランド・ケルト系の妖精
アイルランドやスコットランドに広がるケルト文化は、世界でも最も豊かな妖精伝承を残しています。自然・死・運命を司る精霊や、古代の神々が姿を変えた“シーの民”が多く、人間の生活や土地と深く結びついた多彩な妖精が語られています。
- アオシー(Aos Sí / Aes Sidhe)
アイルランド語で「丘(シー)の民」。トゥアハ・デ・ダナンの末裔とされる地下の妖精族で、古い神々が姿を変えた存在ともいわれる。 - トゥアハ・デ・ダナン(Tuatha Dé Danann)
ケルト神話に登場する「ダヌ神の民」。本来は神々だが、後世の伝承では地下世界に去りアオシー=妖精族として語られる。 - バンシー(Banshee / Bean Sí)
「シーの女」。一族の死を嘆きの叫び声で告げる女の妖精。特定の家系と結びついて現れる不吉の使い。 - レプラコーン(Leprechaun)
アイルランド民話の小人の妖精。靴職人で、虹の根元に隠した金貨の壺を守るとされる。捕まえた者の願いを叶えるが、非常にずる賢い。 - クルラカーン(Clurichaun)
レプラコーンの近縁とされる酒蔵の妖精。酒樽を守るが、怒らせると酒を台無しにする。 - プーカ(Púca / Pooka)
変身能力を持つ妖精。馬・山羊・犬・人間などに姿を変え、人を驚かせたり導いたりする両義的な存在。 - メロウ(Merrow)
アイルランドの人魚・海の妖精。緑色の髪と水かきのある手足を持つとされる。 - キャット・シー(Cat Sí / Cat Sìth)
黒猫の姿をした妖精。背に白斑を持つ巨大な猫として語られ、魂を奪う・妖精の使いなどさまざまな伝承がある。 - クー・シー(Cú Sí / Cù Sìth)
アオシーに属する妖精の猟犬。緑色の巨大な犬として現れ、吠え声は死の前兆ともいわれる。 - レアナン・シー(Leanan Sí / Leanan Sidhe)
人間の詩人や芸術家に霊感と引き換えに生命力を吸う「ミューズの妖精」。妖艶な恋人として現れる。 - チャンジェリング(Changeling)
妖精が人間の子どもをさらい、代わりに置いていく妖精の子。アイルランド・スコットランド・北欧などに広く見られる信仰。 - ドゥラハン(Dullahan)
首なしの騎手として現れる妖精的な死の使者。アオシーの一種とされることも多い。
2. スコットランド・ブリテン諸島の妖精
ブリテン諸島では、家事を手伝う家の精霊から、水辺に潜む怪異的な存在まで幅広く妖精が語られてきました。村や農家の生活に密着した“働く妖精”と、人を試す“いたずら好きの妖精”が多く、民話や文学にも豊富に記録が残っています。
- ブラウニー(Brownie)
イングランド・スコットランドの家に棲む小さな働き者の妖精。夜中に掃除や家事をしてくれるが、報酬として牛乳やパンを求める。怒らせると家を去る。 - ホブゴブリン(Hobgoblin)
家や納屋に住む精霊。ブラウニーに似るが、よりいたずら好きで、性格も幅が広い。 - ケルピー(Kelpie / Each-uisge)
スコットランドの湖や川に棲む水の精霊・怪物。馬の姿で現れ、人間を背中に乗せて水中に引きずり込むとされる。 - セルキー(Selkie)
アザラシの皮を脱ぎ捨てて人間の姿になる海の精霊。皮を隠されたセルキーが人間と結婚する物語が有名。 - ウィル・オ・ウィスプ(Will-o’-the-wisp / Ignis fatuus)
沼地や墓地に揺らめく不思議な火。迷い人を誘い込む精霊として解釈されることが多い。 - レッドキャップ(Redcap)
ボーダー地方の廃墟や塔に棲む凶暴な小鬼。赤い帽子は殺した人間の血で染められているとされる。 - ピクシー(Pixie / Pisky)
イングランド南西部(デヴォン・コーンウォール)の小さな妖精。いたずら好きで人を道に迷わせるが、悪意一色ではない。 - ノッカー(Knocker / Tommyknocker)
鉱山に棲む小人の精。坑内でのノック音で崩落の危険を知らせたり、鉱脈の場所を示すともいわれる。 - ティルウィス・テグ(Tylwyth Teg)
ウェールズの総称的な妖精。美しい姿で輪になって踊る「フェアリー・リング」の主として語られる。 - ブラック・アニス(Black Annis)
レスターシャー周辺に伝わる青い顔と鉄の爪を持つ老婆の怪物。厳密には妖精というより怪異だが、ブリテンの「妖精的な怪物」の代表格。

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