3. 国津神・出雲系の神(地上世界の神々)【30柱】
「国津神(くにつかみ)」とは、高天原の天津神に対して、地上世界(葦原中国)を治める神々を指します。
特に出雲神話において重要な役割を果たす神が多く、大国主命を中心とした国造りや国譲りの神話に登場します。
- 大国主神(おおくにぬしのかみ) 出雲の大神で国造りの主神。縁結びの神としても知られ、出雲大社の祭神。
- 少彦名神(すくなひこなのかみ) 医療・薬・酒造の神。大国主神と共に国造りを行った。
- 事代主神(ことしろぬしのかみ) 言霊の力を持つ神で、国譲りの際に大国主神に従った。恵比寿神と習合することも多い。
- 大年神(おおとしのかみ) 農耕・穀物の神。豊作と新年を司り、稲荷神信仰にも通じる。
- 大山祇神(おおやまづみのかみ) 山の神。山林資源や山岳信仰の中心的存在で、大山祇神社の祭神。
- 木花咲耶姫(このはなさくやひめ) 富士山の女神。火中出産の神話で有名。桜花の象徴とされる。
- 磐長姫(いわながひめ) 木花咲耶姫の姉。長寿を象徴するが、容姿の醜さから拒絶された神話で知られる。
- 豊玉姫(とよたまひめ) 海神の娘で山幸彦の妻。竜宮とのつながりを持つ神。
- 玉依姫(たまよりひめ) 豊玉姫の妹で、鵜葺草葺不合命を育てた。神武天皇の母神。
- 猿田彦命(さるたひこのみこと) 道を開く神。天孫降臨で瓊瓊杵尊を先導した導きの神。
- 菊理媛神(くくりひめのかみ) 縁を取り持つ神。イザナギ・イザナミの黄泉比良坂の神話に登場する調停役。
- 名草彦神(なぐさひこのかみ) 山野の神。地域的信仰に根付いた自然神。
- 建御名方神(たけみなかたのかみ) 諏訪大社の主祭神。国譲りの際に建御雷神と力比べをした武勇神。
- 八重事代主神(やえことしろぬしのかみ) 事代主神の神格の一つ。国譲りでの調停・承諾に関わる言霊の神。
4. 自然神(火・水・風・山・海などの神々)
自然現象や大地・海・山・火を神格化した存在。古代日本では生活に直結するため、強い畏敬と信仰を集めた神々です。
- 火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ) 火の神。誕生時に母イザナミを焼き死なせたため、父イザナギに斬られた神話で有名。
- 埴山姫神(はにやまひめのかみ) 土器・陶芸の神。土の恵みを司り、農耕文化と深い関わりを持つ。
- 綿津見神(わたつみのかみ) 海神の代表格。海の底・中・表を司る三柱の総称でもあり、豊玉姫の父神。
- 大綿津見神(おおわたつみのかみ) 海そのものを神格化した存在。海幸彦・山幸彦の物語に登場する。
- 速玉男命(はやたまのおのみこと) 熊野三山の一柱。祓いと再生を司る神として信仰される。
- 宗像三女神(むなかたさんじょしん) 海上交通・水の守護神。市杵島姫命・多紀理姫命・多岐津姫命の三姉妹で、宗像大社に祀られる。
- 住吉三神(すみよしさんじん) 航海安全を守護する三柱の神(表筒男命・中筒男命・底筒男命)。住吉大社を中心に広く信仰された。
- 大地主神(おおとこぬしのかみ) 大地・土地を守護する神。国土の鎮めに関わる。
- 淤加美神(おかみのかみ) 雨水・洪水を司る龍神的存在。水の循環と農耕に直結する神。
- 風神(ふうじん) 風を操る神。雷神と共に描かれることが多く、農耕に重要な役割を果たす。
- 雷神(らいじん) 雷を司る神。稲作に不可欠な雨をもたらす一方、畏怖の対象でもある。
- 山の神々 各地の山岳信仰において祀られる多様な神々。大山祇神を中心とした信仰。
- 海の神々 龍宮や海の幸に関する神々。航海安全や漁業繁栄の守護神とされる。
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと) 宗像三女神の一柱。水・芸能・美の女神で弁才天と習合。
- 多紀理姫命(たきりひめのみこと) 宗像三女神の一柱。海上安全・水運の守護神。
- 多岐津姫命(たぎつひめのみこと) 宗像三女神の一柱。海や川の流れ・航行の守護神。
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