世界の有名な魔女50選|神話・伝承に登場する有名な魔女一覧

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世界の有名な魔女50選|神話・伝承に登場する有名な魔女一覧 神話
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4. 中東・古代メソポタミアの魔女

古代メソポタミアやアッシリア・バビロニアの世界では、魔女は“夜・死霊・呪い”と強く結びつく存在として語られました。 夜に忍び寄る悪霊、病を運ぶ風、産婦を襲う恐怖、呪具と儀式で霊界を操る術者——。 これらの魔女像は、砂漠と都市国家が共存するオリエント世界ならではの“死と呪いの体系”の核心に位置し、人々の宗教観・恐怖・祈りを象徴します。

中東・古代メソポタミアの魔女

  1. リリス(Lilith / Lilītu)
    古代メソポタミアの文献に見られる夜の悪霊「リリト(Lilītu)」に起源を持つ存在。乳児の命を奪い、男性を誘惑し、夜風とともに忍び寄る“夜の魔女”として恐れられた。のちにはユダヤ伝承でアダムの最初の妻ともされ、誘惑と死の象徴となる。
  2. ザクミ(Zakmi / Zaqīqī)
    アッシリアの呪術文書に登場する“夜に徘徊する魔性の女”。亡者や霊との交信を行い、呪詛や悪夢をもたらすとされた。風のように姿を変えて人間の家に侵入するという記述もあり、夜の混沌と幻惑の象徴を帯びる魔女的存在。
  3. ラマシトゥ(Lamashtu)
    メソポタミアで最も恐れられた女悪霊。母と乳児を襲い、病・失神・死を運ぶ存在として膨大な魔除け呪文が残る。獅子の頭、ロバの体、蛇を握る姿で描かれることが多く、呪術的な“破滅の母”の原型。エクソシスト(祓魔師)が最も警戒した相手でもある。
  4. ナムタルの魔女(Namtar Witch)
    死と疫病を司る神ナムタル(Namtar)に仕える闇の女呪術師として伝わる。病気を呼ぶ風(evil winds)を操り、人の寿命や運命を短くする呪術を扱う。都市国家に疫病が流行するとき、“ナムタルの娘”と呼ばれる女魔女の仕業とされた。
  5. ガッラ狩りの魔女(Galla-Hunter Witch)
    地下世界(Irkalla)の悪霊ガッラ(Gallu/Galla)を操る、または退治する力を持つとされた魔女。死者を冥界へ引きずり込む悪霊と交渉できる稀有な術者であり、魂の奪取・呪い・悪霊の召喚など、死霊術の中核を担う存在として語られた。

※中東の魔女・悪霊は、女神・悪魔・呪術師の境界があいまいで、文化圏ごとに解釈が変化する点が特徴です。

 

5. アジアの魔女(伝承・妖術師)

アジアの魔女は、妖怪・仙女・霊獣・妖狐・鬼といった多層的な存在と密接に結びつき、人間社会・自然・霊界のあいだを自在に往来します。 「魔女」という表現は西洋的な概念ですが、アジアでは変化(へんげ)・術法・幻術・呪術・不老長寿の秘術を扱う“女性術者”が物語の中心となることが多く、彼女たちは人を救いも滅ぼしもする二面性を持ちます。 ここでは、伝承・神話・古典作品にその名が明確に登場する“魔女的存在”を厳選して紹介します。

アジアの魔女(伝承・妖術師)

  1. 玉藻前(たまものまえ / 九尾の狐)
    中国・日本に共通する最強クラスの妖狐。中国の妲己として殷王朝を滅ぼし、のちに日本へ逃れ、鳥羽上皇を惑わしたとされる。九本の尾を持つ化け狐は変身・幻術・呪殺・妖火を自在に操り、国を傾けるほどの力を持つ“東アジア最凶の魔女的存在”。
  2. 葛の葉(くずのは)
    安倍晴明の母として知られる狐の女性。人間の男性と結ばれ、子を育てるが、正体が露見すると愛する家族を残して去るという物語がある。変身能力、未来を見通す力、呪術の素質を持ち、“慈愛と神秘”を併せ持つ妖狐の魔女像として語られる。
  3. 妲己(だっき)
    中国殷王朝の暴君・紂王の妃であり、民間伝承では九尾の狐に憑依された妖女とされる。『封神演義』では残虐な幻術・変身・呪術を使い、人間を惑わせ国を滅ぼす“妖術女”として描かれる。美女の姿をとりながら、内部に冷酷な魔性を秘める魔女的キャラクターの典型。
  4. 白素貞(はくそてい / 白蛇夫人)
    中国の四大民間伝奇の一つ『白蛇伝』の主人公で、千年を生きた白蛇の女性。薬術・仙術・法術に通じ、人間の青年許仙と恋に落ちる。天界の規律に背きながらも愛のために術を使うという設定が“悲劇の魔女”としての魅力を強めている。
  5. 紅葉(もみじ / 鬼女紅葉)
    長野・信州に伝わる女鬼で、元は京の貴族に仕えた女性とされる。裏切りや怨念から鬼へ変化し、呪術や幻術を使って安倍晴明や武将に対峙したという伝承がある。美女と鬼の二面性を持つ“日本的魔女”の代表格。
  6. 蘇妲己(そだっき)
    『封神演義』に登場する妲己の別名または化身。玉藻前/九尾の狐の正体がより具体的に描かれ、残虐な術や妖術を駆使する“魔性の支配者”として描かれる。原典の神魔体系の中で、魅惑・幻惑・呪殺を司る魔女の象徴的存在。
  7. 山姥(やまうば / やまんば)
    日本各地の山に伝わる老女の妖怪。山に迷い込んだ人を助けることもあれば喰らうこともある、強い二面性を持つ。人間を操る呪術、雷・風・霧を起こす力、神秘的な再生能力などが語られ、“日本古来の魔女像”の源流とも言える。

※アジアの「魔女」は、妖怪・仙女・精霊と重なり合う文化的特徴があるため、西洋の witch とは異なる多層的な意味を持ちます。

 

6. アフリカ・カリブ海の魔女

アフリカおよびカリブ海地域では、魔術と霊信仰が生活文化に深く根付いており、魔女的存在は女神・霊・呪術師・治癒者の役割を同時に担います。 水・嵐・愛・運命・富といった強力な自然力を象徴する女性霊を“魔女的存在”として扱うことも多く、 呪術(オベア)、ヴードゥー儀式、ヨルバの神々(オリシャ)など、宗教体系と魔術体系が密接に絡み合っています。

アフリカ・カリブ海の魔女

  1. マミ・ワタ(Mami Wata)
    アフリカ全土(特に西・中央アフリカ)で信仰される“水の霊”。美女の姿で現れ、人を誘惑しつつも富・癒し・幸運を授けるとされる。水辺での儀式、占い、呪術の守護者でもあり、治癒と破滅の両面を持つ“水の魔女女神”として広く信仰されている。
  2. オヤ(Oya / Ọya)
    ナイジェリアのヨルバ宗教における嵐・稲妻・死者の川の女神。火山灰の嵐や旋風を操り、霊界の扉「イラ・オヤ」を守護する強力な女性オリシャである。戦士としての側面も強く、墓地・死者・変化を支配する“嵐の魔女女神”的性質を帯びる。
  3. エズリ(Erzulie / Ezili)
    ハイチ・ヴードゥーの愛・魅惑・情熱を司る女性ロア(霊)。Erzulie Freda、Erzulie Dantor など複数の側面を持ち、愛の魔術・復讐・保護・呪術儀式全般に深く関わる。美・嫉妬・愛憎が複雑に混ざり合う“愛と魔術の女霊”。
  4. アジェ(Aje)
    ヨルバ文化における“女性呪術師・魔女集団”を示す概念。Aje は生と死、豊穣と破壊、治癒と呪いを同時に司るとされ、社会から畏怖される一方、村の守護者にもなる存在。長老女性が霊的力を持ち、夜に集会を開くという伝承が残る。
  5. オベアの黒魔女(Obeah Women)
    カリブ海地域(ジャマイカ、バハマなど)で実践される民間呪術“Obeah”を行う女性術者。護符(チャーム)の作成、薬草治療、占い、呪い返し、霊との交信などを行う。奴隷時代のアフリカ呪術が起源であり、地域の“魔女”として尊敬と畏怖の対象となる。

※ “魔女”という言葉は西洋の概念であり、これらの存在は女神・霊・呪術師・巫女の複合的役割を持っています。

 

7. “魔女的側面”を持つ女神・精霊

本来は女神・大精霊として崇拝される存在でありながら、神話の中で「魔術・呪術・予言・霊界操作」を明確に行うことが記録された“魔女的女神”を厳選。 彼女たちは、宗教的な女神でありながら、魔術を司り、夜や死者、戦、変身、呪いといった“魔女の象徴領域”に深く踏み込んでいる。 魔女文化の源流を語るうえで欠かせない、特に魔術的性質が強い三柱を紹介します。

“魔女的側面”を持つ女神・精霊

  1. ヘカテ(Hecate)
    ギリシャ神話における魔術・夜・十字路・冥界の女神。 “三相の女神”として、月の魔力、死者の魂の導き、呪術・護符・秘術を司り、古代から魔女の守護神と呼ばれた。 松明を掲げて闇夜を歩く姿は、魔女の儀式・魔術書にも頻繁に登場し、現代オカルトでも最も重要視される魔術女神の一柱。
  2. フレイヤ(Freyja)
    北欧神話の愛・戦・死者の領域を司る大女神。 特に、北欧呪術「セイズ(seiðr)」の達人であり、戦の運命を操り、変身や予言の技を自在に使うことが語られている。 オーディンに魔法を教えたともされ、“神々の中における最強の魔女的存在”として位置づけられる。
  3. モリガン(Morrígan)
    アイルランド神話の戦・死・変身の女神。 戦場にカラスとして現れ、英雄の死を予言し、変身と幻術を自在に操る。 ケルト神話においては「戦の運命」を司ると同時に、呪術・予言の力を持つ“魔女的側面”の極めて強い存在である。 彼女が関わる場面は多くが死・血・霧に包まれ、神話世界の中でも特に神秘性の高い女神として知られる。

※ヘカテはギリシャ神話の魔術女神、フレイヤは北欧セイズ魔法の実践者、モリガンはケルトの戦・死・変身の女神として文献で魔術的行為が明確に語られており、“魔女的性質”が最も濃い三柱のみを厳選しています。

 

魔女の姿は時代を越えて語り継がれる

魔女の姿は、自然の力、人間の欲望、死や運命への畏れ を映し出す鏡でもあります。

世界各地の魔女をたどることで、
古代の人々が何を怖れ、何に祈り、どんな“見えない力”を信じていたのかが見えてきます。

創作・ゲーム設定・キャラクター造形においても、
魔女は世界観を深める大切な核となる存在です。

気になる魔女がいれば、ぜひその地域の神話や文献も合わせて調べてみてください。
新しいインスピレーションと出会えるはずです。

 

FAQ よくある質問

世界の魔女にはどんな種類がありますか?

世界には、薬草を使う賢女型、呪術や変身術を操る魔術師型、死者に関わる屍術師型、自然や季節を支配する自然魔女型など、多様な魔女がいます。地域によって特徴が異なり、ヨーロッパ・北欧・アジア・アフリカなどで独自の魔女像が形成されました。

有名な魔女にはどんな名前がありますか?

代表的な魔女には、キルケー、メーデイア、バーバ・ヤーガ、モルガン・ル・フェイ、リリス、ラマシトゥ、妲己、玉藻前、マミ・ワタなどがいます。神話・伝承の中で“魔術を使う女性”として明確に語られてきた存在です。

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