世界の有名な魔女50選|神話・伝承に登場する有名な魔女一覧

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世界の有名な魔女50選|神話・伝承に登場する有名な魔女一覧 神話
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世界中の神話や伝承には、“魔女”という姿を借りて、人間の恐れ・祈り・自然へのまなざしが描かれてきました。
薬草を操る賢女、死者と対話する呪術師、嵐や季節を動かす秘術の使い手、そして誘惑と破滅をもたらす妖婦——。

魔女の物語は、地域の歴史や自然環境、信仰の違いによって大きく姿を変え、独自の世界観を形づくります。
ここでは、各地で「魔女」として語られてきた存在を厳選し、一覧にまとめました。

 

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有名な世界の魔女 一覧

本記事の魔女リストは、各地の神話や伝承をもとに、“創作で使いやすい名前集”として整理したものです。
地域や時代によって解釈が大きく異なるため、より詳しく知りたい場合は専門的な文献や資料もあわせてご覧ください。

物語の世界をのぞくような気持ちで、楽しんで読んでいただければ幸いです。

 

1. ヨーロッパ古典における魔女たち ─ 伝説・呪術・妖婦の源流

古代ヨーロッパの神話と文学には、現代に続く「魔女像」の原型が息づいています。
薬草の力を極めた賢女、星々の運命に通じる巫女、死者の魂を呼び戻す屍術師──。これらの魔女たちは、神々と人のはざまに立つ“境界の存在”として恐れられながらも、同時に畏敬の念を集めてきました。

ギリシャ悲劇やローマ詩に描かれた魔女は、単なる邪悪な存在ではありません。
“愛と裏切り”“復讐と救済”“禁術と知識”といった深い人間ドラマを背負い、時に運命をねじ曲げ、時に世界の秩序を揺るがすほどの力を見せつけます。

このカテゴリでは、古代の呪術・神秘思想・禁断の知識を象徴する魔女たちを厳選して紹介。
古典に刻まれた魔術の起源や、彼女たちの持つ象徴的な役割をたどることで、魔女という存在がどのように形づくられてきたのかが浮かび上がります。

ヨーロッパ古典における魔女たち ─ 伝説・呪術・妖婦の源流

  1. メーデイア(Medea)
    コルキス王女にして強力な魔女・呪術師。英雄イアソンを助けるため父や兄を裏切り、のちに夫の裏切りに対して我が子をも手にかける悲劇で知られる。薬草・呪文・予言に長け、「愛と復讐」を体現する原型的な魔女像。
  2. キルケー(Circe)
    ホメロス『オデュッセイア』に登場する孤島アイアイエの魔女。薬草と呪文で男たちを豚などの獣に変え、旅人を惑わす魅惑の魔女として恐れられた。変身術・誘惑・孤島というモチーフは、後世の魔女像やファム・ファタル像の源流となる。
  3. カニディア(Canidia)
    ローマ詩人ホラティウスの『風刺詩』『頌歌』などに繰り返し登場する悪名高い魔女。墓場で死体の血を使った呪術を行い、毒草や香油で恋や憎しみの呪いを仕掛ける姿が描かれる。古代ローマ文学における「グロテスクな黒魔女」の代表格。
  4. エリクトー(Erichtho)
    ルカヌスの叙事詩『ファルサリア』に登場するテッサリアの屍術師。荒れた墓地や戦場をさまよい、死体を掘り起こして呪術で蘇らせ、未来を語らせる禁忌の魔女とされる。死体損壊・屍術・未来予知が一体となった、古典文学でも指折りの“最恐の魔女”。
  5. フラウ・ホルダ(Frau Holle / Holda)
    ドイツ語圏の伝承に登場する、冬・雪・家事・糸紡ぎと結びついた女性霊・女神的存在。勤勉な者には富を、怠惰な者には罰を与えるとされ、善悪の裁きを行う「冬の魔女」「家の守り手」として語られてきた。後世にはクリスマス期の魔女や、妖精女王のイメージとも重ねられる。
  6. テッサリアの魔女(Thessalian Witches)
    古代ギリシャで「月を引き下ろす」とまで噂されたテッサリア地方の魔女たち。豊かな薬草と山岳地帯を拠点に、月や星、天候を操ると信じられた。天体と魔術を結びつけた「月の魔女」のイメージは、後世の伝承や儀式魔術にも影響を与えている。
  7. アルクメーネの魔女(Witches of Alcmene)
    英雄ヘラクレスの母アルクメーネの出産を妨げたとされる、女神エイレイテュイアや魔女的存在に由来するモチーフ。夜のあいだ出産を止める呪術や、呪文によって産気を封じる力を持つとされる。出産と魔女、生命の門をめぐる攻防を象徴する存在として、創作でも応用しやすいテーマ。
  8. 魔女ベルタ(ペルヒタ / Perchta)
    アルプス地方に伝わる冬の女神・魔女的霊。年末から聖十二夜にかけて山野を巡り、勤勉な者には銀の硬貨を与え、怠惰な者には腹を裂き藁を詰めるという恐ろしい伝承も残る。のちには「クリスマスの魔女」「女性版クランプス」とも呼ばれ、冬の闇と裁きのイメージを担う。
  9. ワルプルギスの魔女(Walpurgis Witches)
    4月30日のワルプルギスの夜に、ドイツのブロッケン山などへ集うとされた魔女たちの総称。悪魔との饗宴や空を飛ぶ宴会など、いわゆる「サバト」のイメージを決定づけた。ゲーテ『ファウスト』などの文学作品を通じて、近代以降の“魔女の大集会”像を世界中に広めた存在。
  10. ストレガ(Strega)
    イタリア語で「魔女」を意味する言葉で、村に住む薬草と祈りを扱う女性呪術師を指すことも多い。病気や恋の悩みの相談役として人々に頼られる一方、呪いをかける存在として恐れられる両面性を持つ。現代の新異教運動「ストレゴネリア」とも結びつき、イタリア固有の魔女文化として語られる。
  11. ベネヴェントの魔女(Witches of Benevento)
    イタリア南部ベネヴェントに伝わる、サバトを開く魔女たち。サバト川沿いの「クルミの木」の下に集まり、女神ヘカテやディアナに由来する異教儀礼を続けたとされる。現在でも町のシンボルとして“ほうきに乗る魔女”が用いられ、伝説と観光・祭りが結びついた独特の魔女伝承。
  12. ティーフェンタールの魔女(Tiefenthaler Hexen)
    ドイツ語圏の村ティーフェンタール周辺で活動する、現代の祭礼・カーニバルに登場する「魔女」グループ。歴史的な神話上の魔女というより、仮装行列や子ども向けイベントを盛り上げる象徴的存在であり、魔女像が現代の地域文化やお祭りの中で生き続けている一例といえる。

 

2. ケルト・北欧・ゲルマンの魔女

北方ヨーロッパの神話や伝承では、「魔女」は自然と霊界の狭間を歩む存在として描かれます。 吹雪・嵐・冬の力を操る者、戦の死者を呼び集める予言者、湖や森に棲む妖しき賢女——。 彼女たちは大地そのものの意志を体現し、人間の運命・天候・豊穣・死の行方に干渉する“境界の魔女”たちです。 ケルトや北欧の魔女は、女神・妖精・精霊・呪術師という複数の役割が重なり合い、地域や時代によって姿を変えるのが特徴です。

ケルト・北欧・ゲルマンの魔女

  1. ヴォルヴァ(Völva)
    北欧神話に登場する“運命を見る女預言者”。セイズ(seiðr)と呼ばれる強力な呪術を操り、世界の終末ラグナロクの運命すら語ることができた。各地を旅し、村ごとに儀式を行う流浪の巫女で、北欧社会の「運命を告げる者」として畏れられた。
  2. グリーム(Gríma)
    アイスランド中世サガに登場する女性呪術師。“グリーム(仮面・覆い)”の名が示すように、変身や姿隠しの魔術と関わりが深い。呪い(ギャルドル)や儀式魔術を記した写本にも登場し、実在した魔女の名として伝えられる。
  3. ヘルガ(Helga the Witch)
    北欧・スカンジナビアの民話に現れる魔女。旅人を試し、その心の弱さを暴く“試練の魔女”として描かれることが多い。人間や動物に変身したり、森の精霊を呼ぶ能力を持つ。道に迷った旅人の前に現れ、運命の分岐点を示す存在。
  4. カリャク(Cailleach)
    ケルト神話の冬・嵐・山岳を司る“老いた女神にして魔女”。大地を形づくった創造者であり、冬の厳しさをもたらす支配者でもある。杖一振りで山を築き、吹雪を呼び、春を遅らせる力を持つとされる。自然そのものが姿をとったような原始の魔女。
  5. モルガン・ル・フェイ(Morgan le Fay)
    アーサー王物語に登場する妖艶な魔女女王。治癒術に長ける一方、呪術で英雄を惑わし、アーサー王と円卓を揺るがす「運命を乱す存在」として語られる。ケルトの妖精・女神の要素を吸収し、後世の“魔女の archetype(原型)”となった。
  6. ヴィヴィアン(Viviane / Niniane / Lady of the Lake)
    湖の精霊・魔女。アーサー王伝説で聖剣エクスカリバーを授けた存在であり、魔術で魔法使いマーリンを封じたとも伝わる。水・霧・静寂と深く結びつき、“湖底の王国”を治める妖しく美しい魔女として語られる。
  7. 黒いアンナ(Black Annis)
    イギリス・レスターシャー地方に伝わる青い顔・鉄の爪を持つ洞窟の老魔女。夜に子どもをさらう恐怖の象徴で、羊を食い、革をはぎ、森の闇に潜む怪異として語られる。ケルトの死の女神モリガンと結びつける説もあり、地域の“闇の母”として恐れられた。
  8. グリンデルの魔女(Fen Witch)
    イングランド東部の湿地帯フェンランドに棲むとされる魔女。霧・沼・水と結びつき、旅人を惑わせる幻術、姿を消す術、沼の怨霊を従える力を持つとされた。湿地の自然環境と恐怖が生んだ、土地固有の“水と霧の魔女”の象徴。

 

3. スラヴ・東欧の魔女

スラヴ世界の魔女は、森・冬・嵐・死霊といった自然の“荒ぶる側面”を象徴する存在として語られてきました。 人間を試す賢女、季節を操る女神、魂を奪う妖女など、彼女たちは精霊・女神・魔女の境界が曖昧で、地域ごとの自然信仰が色濃く反映されています。 東欧の魔女像は“恐怖”と“祝福”の二面性を持ち、森と人間の世界をつなぐ門番のような役割を担っています。

スラヴ・東欧の魔女

  1. ババ・ドクシャナ(Baba Dochia)
    ルーマニアの伝承に登場する“冬の老女”で、日本でいう「雪女神」の原型に近い存在。春の訪れに抵抗し、山に霧・寒気・雪を戻す力を持つ。古い衣を脱ぎながら季節を巡る逸話は、冬の終わりと春の誕生を象徴する物語として知られる。
  2. ヴィラ(Vila / Veela)
    南スラヴ地域(セルビア・ブルガリアなど)に伝わる山と風の妖精女性。美しい姿で踊り、人を魅了し、怒りに触れれば嵐や不幸をもたらす。“風の魔女”として扱われることもあり、弓矢と歌声を武器に、森の掟を破る人間を罰する。
  3. モラーナ(Morana / Marzanna / Morena)
    スラヴ神話の“冬と死の女神”。疫病や凶作を象徴し、毎年春分に行われる“モラーナ送り(藁人形を川へ投げる儀式)”で冬と死を追放する風習の中心となる。冬の厳しさそのものが擬人化した、恐ろしくも神聖な魔女的存在。
  4. ストリゴイカ(Strigoica)
    ルーマニアの吸血鬼ストリゴイ(Strigoi)の女性形。夜に墓地をさまよい、魂や血を吸い取る妖魔で、鳥や猫へ姿を変える変身術を持つとされる。呪い・変身・死霊と深く結びつき、“吸血魔女”として恐れられた。
  5. ハラ(Hala / Ala)
    南スラヴ(セルビア・ブルガリア)に伝わる雹(ひょう)、嵐、干ばつを呼ぶ怪異の女性霊。雲を食べ、作物を奪うとされ、農耕民から“天災を呼ぶ魔女”として恐れられた。巨大な口と黒い翼を持ち、嵐雲の中を飛ぶ姿で描かれる。
  6. マーヴァ(Mavka / Навка)
    ウクライナの森に棲む若い女の姿をした妖女。美しい歌声で旅人や若者を森奥へ誘い込み、魂を奪ったり溺れさせたりする。生者と死者の境界に立つ存在で、森の精霊・怪異・魔女のすべての性質を併せ持つ。
  7. ラスカヴィツァ(Raskovnica Witch)
    “ラスコヴニツァ(Raskovnik)”という魔法草に通じた女魔術師。あらゆる鍵を開けるとされる伝説の植物を知る者として、宝物探しや呪術儀式に深く関わる。自然と薬草の秘密を操る、スラヴ版“薬草魔女”。
  8. ポルデニツァ(Polednice / Lady Midday)
    チェコ・ポーランドの農村伝承に現れる“正午の魔女”。炎天下の畑に現れ、労働者に熱病・錯乱・死をもたらす。鋭い鎌を持ち、問いかけに答えられぬ者の首を刎ねるともされ、夏の灼熱と恐怖を象徴する怪異でもある。
  9. バーバ・ヤーガ(Baba Yaga)
    スラヴ民話で最も有名な“森の魔女”。鶏足の小屋に住み、臼に乗って空を飛び、呪術・予言・変身術を行う。残酷な側面と、主人公を助ける母性的な側面を併せ持つ、多面的なキャラクター。世界の魔女像の中でも特に象徴性が高い。
  10. サモディヴァ(Samodiva)
    ブルガリアの山野に棲む、舞踏と魅了の力を持つ妖女。月光の下で踊り、その美しさに魅せられた者を死へ誘う。風・水・森の精霊と結びつき、“野生の自然が人に試練を与える姿”として語られる魔女的存在。
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