神使(しんし)とは、神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族(けんぞく)のことで、神の意思を代行して現世と接触する動物のことです。時には、神そのものと考えられることもあります。
別称には「神の使い(かみのつかい)」「使わしめ(つかわしめ)」「御先(みさき)」などがあります。
ここでは、神使とされる動物を一覧で紹介していきます。
神の使いとされる動物一覧
- 亀
【松尾大社】
松尾大社にある『亀の井』と呼ばれる井戸の水を使って酒を造ると腐る事がないという言い伝えがあります。 - 兎(うさぎ)
【住吉大社・岡崎神社・調神社】 - 八咫烏
【熊野三山】
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称。
熊野三山に祀られる神である熊野権現のお使いの烏。 - 海蛇
【出雲大社】
旧暦の10月10日に行なわれる神在祭(かみありさい)では、稲佐の浜で御神火が焚かれ、龍蛇(海蛇)をお迎えする神迎えが行われます。 - 烏
【厳島神社・諏訪大社・日吉大社】
熊野三山に祀られる神である熊野権現のお使いの烏。 - 牛
【北野天満宮・太宰府天満宮】
出雲降臨の際、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が牛に乗ってきたという伝説がある。学問の神・菅原道真公を祀る。 - 犬
【伊奴神社】
名古屋市西区にある神社。神社近くの庄内川は、その昔よく氾濫し、困った村人が山伏に相談したところ、その年は洪水が起こらなかった。不思議に思った村人が開けてはならないと言われていた御幣を開けてみると、中には一匹の犬の絵と「犬の王」という文字が書いてあったという言い伝えがあります。
祭神の伊奴姫神は、子授け、安産、夫婦円満、家内安全等にごりやくのある神様です。 - 狐
【伏見稲荷大社】
稲荷神。稲荷神社の御祭神は宇迦之御魂神・倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)です。稲の成育を守り、食料を司る神様です。 - 狸
【柳森神社】
開運、諸願成就、勝運、出世に御利益があるとされる。 - 狼
【武蔵御嶽神社・三峰神社など奥多摩・秩父地方の神社】
日本武尊(やまとたけるのみこと)の使い。 - 猪
【護王神社・和気神社】 - 猿
【日吉神社・日枝神社・春日大社・浅間神社】
『魔がさる』で魔を拭い去る事を意味し、四方魔除けの猿とも呼ばれており、一家の四方の魔を拭い去ることによって繁栄する、万福招来、繁昌満足を授ける神使とされています。 - 獅子
【猿田彦神社】
椿大神社に約1300年にわたり伝えられる「獅子神御祈祷神事(ししじんごきとうしんじ)」という神事では、猿田彦大神は強大な力を持つ獅子神を導きながら次々と祓いを納めていきます。これにより獅子は、猿田彦大神の使いとされています。また、文殊菩薩の使いでもあります。 - 白蛇
【諏訪神社】 - 白鷺
【白鷺神社など】
日本武尊(やまとたけるのみこと)は、東国征伐の帰路、伊吹山の戦いで病を得て、大和を目前にした伊勢の能煩野(のぼの)で没した。尊の霊魂は、大きな白い鳥となって飛び立ち、全国各地に飛来したとされる。 - 虎
【朝護孫子寺】 - 蛇
【奈良・大神(おおみわ)神社】 - 蛙
【猿田彦大神】
猿田彦大神は、瓊瓊杵尊を道案内した神であることから、道の神や旅の安全を守る神とされ、「無事に帰る」というところから神使とされたと言われています。また、「黄泉の国より帰る」が転じて「甦る(よみがえる)」となり、死と再生を象徴する、猿田彦大神の使いが「蛙(カエル)」となぞらえられたといわれます。 - 蛸(たこ)
【福岡神社】
速玉男命(ハヤタマオノミコト)は、大蛸に乗ってこの地にやってきたという伝説があります。 - 蜂
【二荒山神社・日吉神社】
商売繁盛、金運アップ、家内安全、招福万来のご利益があるとされています。 - 蟹
【金刀比羅宮】 - 象
【普賢菩薩】 - 鯉
【大前神社】 - 鰻(うなぎ)
【三嶋大社】
大山祇神や虚空蔵菩薩の使いとされています。 - 鳩
【八幡宮 石清水八幡宮・三宅八幡宮など】
八幡神の使いで、九州の宇佐から岩清水八幡を勧請する際、白鳩が道案内をしたという伝説があります。 - 鶏
【伊勢神宮・熱田神宮・石上神宮】
天照大神の使い。岩戸開きの際に夜明けを告げる鶏が長鳴きをした神話に基づいています。 - 鶴
【諏訪大社】 - 鶺鴒(せきれい)
【島根・出雲大社】 - 鷺
【氣比神宮】 - 鹿
【春日大社・厳島神社・鹿島神社】
春日明神の使い。 - 蚕(かいこ)
【蚕影神社・小剣神社など】
保食神(うけもちのかみ)・農業神の使い。農家を豊かにする。 - 鮫(さめ)
【伊勢神宮の別宮といわれる伊雑宮(いざわのみや)】
鮫の姿をした龍宮の使い(七本鮫)。旧暦6月24に伊勢神宮の別宮といわれる伊雑宮(いざわのみや)に参拝する為にやって来るといわれており、彼らがやって来る期間は海に船を出したり、漁に出てはいけないとされている。
干支 十二支の神使
- 子(鼠)
【大豊神社など】 大黒天 の使い。 - 丑(牛)
【天満宮】 繁栄の象徴とされる。 - 寅(虎)
【朝護孫子寺】戦勝・政治・男子の象徴。「寅の年・寅の日・寅の刻」に毘沙門天が御出現したとの伝承がある。 - 卯(兎)
【住吉大社】 神功皇后が住吉三神を祀り、神社を創祀した日が「卯年、卯月、卯日」だったことに由来。 - 辰(龍)
【九頭龍神社】 縁結びの神社として有名。 - 巳(蛇)
【】弁才天の使い。 - 午(馬)
【愛宕神社】愛宕神社正面の坂(男坂)は「出世の石段」と呼ばれています。 - 未(羊)
【羊神社】親子の狛羊が鎮座しています。 - 申(猿)
【日吉大社】 - 酉(鶏)
【伊勢神社】 伊勢神宮の内宮には鶏が放し飼いにされています。 - 戌(犬)
【水天宮】 安産・子宝・家内安全・厄払い - 亥(猪)
【護王神社】
七福神の神使
- 【蛇】弁財天
財産の神、音楽や芸能の女神 - 【鶴】福禄寿
福(幸福)、禄(俸禄)、寿(長寿)の神 - 【鯛】恵比寿
漁業、航海、商売繁盛の神 - 【鹿】寿老人
長寿と知恵をさずける神 - 【鼠】大黒天
豊作、財産、商売繁盛の神 台所の神(大豊神社など) - 【百足・虎】毘沙門天
財宝や福徳を司る神 - 【なし】布袋
福徳の神
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