正月遊びという「動く縁起物」|遊びながら福を呼び込む
昔ながらの正月遊びは、ただの娯楽ではなく、厄払い・成長祈願・福招きの意味を持つ“動きのある縁起物”です。家族や仲間と笑い合う時間そのものが、福を呼び込むと考えられてきました。
- 羽子板
女の子の無病息災を願う飾り羽子板としても用いられる。華やかな押絵が施され、邪気を打ち払う縁起物でもある。 - 羽根(無患子の玉)
羽根突きに使う羽の玉には「無患子(むくろじ)」の実が使われ、「子が患わない」=子どもの健康祈願の象徴とされる。 - 凧(たこ)
願い事を乗せて空高くあげることで、「運気が上向く」「子どもが大きく育つ」ことを祈った正月遊び。 - 独楽(こま)
よく回る様子にあやかり、「お金や仕事もよく回る」「物事が円滑に進む」ことを願う昔ながらの玩具。 - 福笑い
みんなで笑いながら遊ぶことで、「笑う門には福来る」を体現する遊び。新年の笑い始めとして定番。 - 双六(すごろく)
サイコロを振りながらゴールを目指す遊び。家族そろって遊ぶことで、家庭運・対人運アップの縁起を担ぐ。 - かるた(百人一首・いろはかるた)
言葉遊びをしながら教養も身につく正月遊び。ことわざや和歌に触れることで、「学びの多い一年」を願う意味もある。 - お手玉
手の中でリズミカルに遊ぶことで、手先の器用さと集中力を養う昔遊び。正月柄の袋で“めでたさ”もプラスされる。 - けん玉
技が決まるまで何度も挑戦する玩具。粘り強さと根気を象徴し、技が成功したときの喜びが“福”と重なる。 - だるま落とし
積み木状のだるまを崩さずに打ち抜く遊び。バランス感覚と集中力を養い、「土台を崩さない安定した一年」を暗示する。
意味を知ると、正月の縁起物はもっと楽しくなる
正月の縁起物は、決して「昔からそうだから」となんとなく続いているだけの風習ではありません。
鏡餅には「年を重ねる喜び」、門松には「年神様を迎える準備」、おせち料理には「健康・仕事・家族・お金」といった日々の願い――。
意味を知ることで、そのひとつひとつが、暮らしにそっと寄り添う心強い象徴になります。
飾り方や選び方に少し意識を向けるだけで、同じ正月でも感じ方は大きく変わります。
例えば、今年の鏡餅には「家族の健康」を願ってみたり、初詣のお守りを“今の自分にしっくりくる願意”で選んでみたり。
そんな小さな積み重ねが、新しい一年をよりあたたかく、前向きなものにしてくれます。
この一覧を参考にしながら、あなたの暮らしに合った「わが家の縁起物」を選び、心から納得できる形で新年を迎えてみてください。
FAQ よくある質問
正月の縁起物にはどんなものがありますか?
正月の縁起物には、鏡餅・門松・しめ飾りなどの正月飾り、おせち料理の縁起食、初詣のお守り・破魔矢、干支の置物、羽子板や凧などの祝い遊びがあります。いずれも「歳神様を迎える」「一年の無病息災を願う」といった意味が込められています。
鏡餅や門松などの正月飾りにはどんな意味がありますか?
鏡餅は歳神様の依り代、門松は神様が降り立つ目印、しめ縄は神聖な空間を示す結界とされます。正月飾りの多くは、家を清め、福を迎えるための“新年の準備”として飾られます。

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