日本の神話には、恋愛、光、水、大地、芸能など、
さまざまな形で人々の暮らしに寄り添ってきた女神たちの物語が残されています。
古くから自然とともに生きてきた日本人の感性は、女神たちの名前や役割にそっと息づき、
今もどこか温かく、親しみを感じさせてくれます。
ここでは、古い伝承をもとに 50柱の日本の女神をカテゴリごとにまとめ、
それぞれの役割・象徴・神話の背景などをやさしい言葉で紹介します。
気になる女神に出会えれば、
名付けや創作、神社参拝の理解など、さまざまな場面で小さなヒントになるはずです。
女神たちに込められた思いや世界観に、そっとふれてみてください。
1. 恋愛・縁結び・家族を見守る女神
櫛名田姫(くしなだひめ)
八岐大蛇の伝承で知られる縁結びの女神。スサノオの妃となり、夫婦和合や家族の繁栄を守る神として親しまれます。
須勢理毘売(すせりびめ)
スサノオの妻となった姫神で、強い絆や夫婦円満の象徴。家庭と伴侶を大切にする力を授ける神格とされます。
弟橘比売(おとたちばなひめ)
夫・日本武尊のために海へ身を投じたと伝わる献身の女神。深い愛情と自己犠牲の象徴として、良縁・夫婦和合の守護神とされています。
玉依姫(たまよりひめ)
「玉(たま)」=神霊を受けとめる巫女的な役割を持つ女神。子授けや家系の継承に関わる母神として信仰されます。
伊耶那美命(いざなみ)
多くの国土と神々を生み出した母神。家族形成や祖先のつながり、いのちの根源を象徴する存在です。
比売大神(ひめのおおかみ)
女性神全体を指すような総称的な神格で、母性・守護・縁結びなど幅広いご利益を持つとされる包容力の大きな女神です。
2. 春夏秋冬と草木花をつかさどる女神
佐保姫(さほひめ)
春の訪れを知らせる女神。芽吹きや花の季節を運ぶ存在として、和歌や古典でも「春」の擬人化として登場します。
竜田姫(たつたひめ)
秋の紅葉を司る女神。竜田川の紅葉伝説とも結びつき、赤く染まる山野や秋風の景色を象徴します。
木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)
桜の花と富士山の女神。華やかな美しさだけでなく、生命の儚さと繁栄の両方を司る存在とされています。
木花知流比売(このはなちるひめ)
花が散りゆく姿を象徴する姫神。散り際の美しさや、移ろう季節の情緒を体現する神格です。
鹿屋野比売(かやのひめ)
草野・野原の女神で、野に広がる草木の繁りを象徴します。自然界ののびやかな生命力を司る存在です。

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