11. 応龍(Yìnglóng:インロン / おうりゅう:応竜)
翼を持つ希少な龍として『山海経』に登場し、治水の英雄・大禹を助けた存在として広く知られる。天を自在に飛び、雲や雨を生み、水を制御する力を持つとされる。人々に恩恵をもたらした「恩龍」として古代中国で特別視され、後代の道教や民間信仰にも強い影響を残す。創作では「空と水を操る万能神龍」として極めて人気が高い。
縁起:治水・平穏の象徴。災害を退け、人々と土地に安定と調和をもたらす守護龍。
12. 龍王(Lóngwáng:ロンワン / りゅうおう:龍王)
四海を統べる水神として、道教や民間信仰で最も広く信仰される龍の王。東海・南海・西海・北海の「四海龍王」はそれぞれ気象・雲・雨を司り、水域や海運、豊穣を守護する。寺院や祠では雨乞い・航海安全・漁業繁栄の神として厚く祀られ、現代にも信仰が続く。創作では「水域の支配者」「海の王」として圧倒的な存在感を放つ。
縁起:雨乞い・海運・豊穣・安全の象徴。水の恵みと守護を与える最強クラスの吉兆龍。
13. 盤龍(Pánlóng:パンロン / はんりゅう:蟠竜・盤龍)
とぐろを巻く姿で描かれる龍で、中国古代の青銅器・瓦当・玉器などに頻繁に登場する。動き出す前の力を秘めた姿とされ、潜勢力・蓄えられたエネルギーを象徴する。古代建築では災厄を避ける吉祥文様として扱われ、皇族・貴族の装飾に多く用いられた。創作では「地脈の龍」「眠れる力を秘めた龍」として描かれることが多い。
縁起:財運・蓄財・潜在力の象徴。運気を溜め、必要な時に爆発的に力を発揮する吉兆龍。
14. 夔龍(Kuílóng:クイロン / きりゅう:夔竜)
『山海経』に登場する、一足の怪異的な龍(夔)が後に「夔龍」として龍文様に取り込まれたもの。雷と音楽に関連する神聖な存在として語られ、古代の青銅器文様では最古級の龍の原型とされる。単足で巨大な姿は雷神的要素を持ち、古代祭祀や呪術との結びつきも強い。創作では「雷を引き起こす異形の龍」として特に映える存在。
縁起:雷・浄化・変革の象徴。邪気を祓い、大きな転換をもたらす力を持つとされる。
15. 魚龍(Yúlóng:ユイロン / ぎょりゅう:魚竜)
魚のような鱗・姿を持つ水棲の龍で、『山海経』などに魚身の龍として記述がある。海・湖・大河の深層に棲む存在として描かれ、水中世界の秩序を保つ霊的存在とされることが多い。蛟龍よりも水中適性が高く、地域伝承では洪水を予兆する存在として現れることもある。創作では「深海の守護龍」「水底の賢者」として表現される。
縁起:水運・海運の守護。深い水域の調和や航海安全に関連する吉兆を持つ。
16. 馬頭龍(Mǎtóulóng:マトウロン / ばとうりゅう:馬頭竜)
馬のような頭部を持つ龍として、古代の青銅器文様・瓦当・石彫に見られる形態。龍がさまざまな動物的特徴を持つ過渡期の姿とされ、馬は「俊敏・生命力・吉祥」の象徴であることから、馬頭龍は「迅速な加護」「移動・旅路の成功」を象徴すると解釈されることが多い。創作では疾走・風・瞬発力を司る獣型龍として人気が高い。
縁起:旅の安全・成功・迅速な吉運を象徴する。物事を素早く進展させる力を持つ龍。
17. 蛇龍(Shélóng:シェーロン / じゃりゅう:蛇竜)
蛇のような長い体を中心とする龍で、中国最古層の龍の原型に近い形態。『淮南子』や『山海経』には蛇体の龍が登場し、龍の起源は「蛇の精が神格化したもの」とする古い信仰が残っている。しなやかで神秘的な存在として描かれ、地脈・水脈・循環を象徴する。創作では「古代龍」「原初の龍」として扱われることが多い。
縁起:生命力・再生・循環の象徴。悪病や毒気の浄化に関連付けられる場合もある。
18. 天龍(Tiānlóng:ティエンロン / てんりゅう:天竜)
天界に住まう神格化された龍で、道教だけでなく仏教でも「天龍八部」の一柱として重要な存在。天界の秩序を守護し、災厄から世界を守る役割を担う。眼下の世界を見守り、神の意思に従って風雨を調整するとされるため、神聖性が特に高い。創作では、翼を持つ天界の龍・神霊的な守護者として描かれることが多い。
縁起:神意・守護・天界からの加護を象徴。災厄除けと高度な精神性の吉兆。
19. 蚴龍(Yòulóng:ヨウロン / ゆうりゅう:蚴竜)
体をくねらせる、しなやかな龍として『楚辞』や古代詩文に登場。「婉婉(うねる)」という表現が龍の動きと結びつき、優雅な舞う龍として表現されることが多い。主に文学で描かれる詩的な龍であり、変幻自在・風流・調和を象徴する存在として扱われる。創作では「優美な龍」「舞い踊る龍」の原型として人気がある。
縁起:調和・柔軟性・優雅な運気の流れの象徴。風水的にも「気の巡り」を整える存在と解釈される。
20. 烏龍(Wūlóng:ウーロン / うりゅう:烏竜・黒竜)
古代中国の史書に「烏龍が現れた」という記録が複数あり、黒い龍の吉兆として扱われることがある。“烏”は黒を意味し、深淵・静穏・神秘と結びつく。白龍や青龍と同じく「天象としての龍の出現」を表す場合があり、国家の変革や重要な出来事の前触れとして記録されることもある。創作では影・夜・深海・霧と関連する神秘的な龍として人気。
縁起:変革・神秘・静かなる吉兆の象徴。深い力を宿し、物事を陰で安定させる守護龍。
- 11. 応龍(Yìnglóng:インロン / おうりゅう:応竜)
- 12. 龍王(Lóngwáng:ロンワン / りゅうおう:龍王)
- 13. 盤龍(Pánlóng:パンロン / はんりゅう:蟠竜・盤龍)
- 14. 夔龍(Kuílóng:クイロン / きりゅう:夔竜)
- 15. 魚龍(Yúlóng:ユイロン / ぎょりゅう:魚竜)
- 16. 馬頭龍(Mǎtóulóng:マトウロン / ばとうりゅう:馬頭竜)
- 17. 蛇龍(Shélóng:シェーロン / じゃりゅう:蛇竜)
- 18. 天龍(Tiānlóng:ティエンロン / てんりゅう:天竜)
- 19. 蚴龍(Yòulóng:ヨウロン / ゆうりゅう:蚴竜)
- 20. 烏龍(Wūlóng:ウーロン / うりゅう:烏竜・黒竜)
- 名前に宿る“神話の象徴”
名前に宿る“神話の象徴”
中国の龍は、自然の力や運命、守護の象徴として、今もなお強い存在感を放ち続けています。
今回紹介した龍たちは、名前の響きだけでも物語性があり、創作に取り入れるだけで世界観がぐっと奥行きを増します。
また、縁起や運気を意識する場合でも、青龍や黄龍のように象徴性が明確な龍は特に人気が高く、
その意味を理解して選ぶことで、より深い“願い”や“祈り”を込めることができます。
自分の感性に響く龍を見つけて、ぜひ創作や日常のインスピレーションに活かしてみてください。
FAQ よくある質問
中国の龍にはどんな種類がありますか?
中国の龍には、古典や史書に記録された種類が多く存在します。代表的なものは、青龍・黄龍・蛟龍・螭龍・虬龍・応龍・神龍・龍王などです。本記事では、文献で実在が確認できる20種類を厳選して紹介しています。
中国神話で最も有名な龍はどれですか?
もっとも有名なのは四方を司る青龍(東)と黄龍(中央)です。どちらも歴史書や礼制の文献に記録が多く、王権・天象・季節など中国文化の象徴として重要な役割を持っています。

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